本場の「タッカルビ」を家庭でも 元国際交流員、調味料を開発 雲南から古里の味広める(Sデジオリジナル記事)
山陰2022/2/2 04:05「タッカルビ」の素を開発した李在鎮さん=雲南市木次町寺領、多文化交流カフェSoban
新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店の営業が難しくなっている中、雲南市木次町寺領の「多文化交流カフェSoban(ソバン)」の店主・李在鎮(イジェジン)さん(48)が韓国料理の定番「タッカルビ」の素を開発。雲南市内で先行発売したところ評判となり、ネット通販で「第4次」の韓流ブームに乗っていきたいと意気込んでいる。
タッカルビは鶏もも肉や野菜を辛いつけだれに絡めて炒める料理。つけだれの食材が多いため、調味料の微妙な配合が必要。日本でも気軽に楽しんでもらうため加工調味料の開発に目を付けた。
ソウル出身の李さんは2012年に雲南市の国際交流員として来日。雲南市で暮らし始め、料理を通して文化交流を促そうと、研究を続けてきた。
「人の温かさ」を感じて交流員の任期満了後も家族で定住すると決めた。19年7月に古民家をリフォームしてカフェをオープン。ほどなくコロナ禍となり「店で出しているタッカルビを家庭でも手軽に出せるようにしたい」と商品化に着手した。
完成した加工調味料「本タッカルビ」(50グラム、680円)は野菜や地元特産の唐辛子「オロチの爪」など30種類近くの食材を用いた一方、食品添加物は使っていない。購入者からは「家にいながら韓国旅行に行った気分になれる」と喜ばれた。
李さんは「15分ほどで調理できる。安心で安全な材料にこだわった」といい、古里の味が多くの家庭に広まることを願う。
「本タッカルビ」は道の駅さくらの里きすき(雲南市木次町山方)、食の杜(同市木次町寺領)、道の駅たたらば壱番地(同市吉田町吉田)で販売している。
(鎌田剛)